こんにちは!
毎年、初夏から夏にかけて子どもたちのあいだで広がる「手足口病(てあしくちびょう)」。
2026年は例年より少し早いペースで流行が立ち上がっていて、これから本格的なシーズンを迎えます。
実は、わが家の息子も1歳になりたてのときに手足口病にかかりました。
口のまわりがただれ、体や手足にもブツブツが広がっていく姿に、母としてかなり動揺したのを覚えています。
本日は、保育園の園長としての視点に、母としての実体験を重ねて、
・2026年の手足口病の流行状況
・症状の出方(重めのタイプも含めて)
・おうちでできるケアと、受診を考える目安
・「保育園にはいつから行けるの?」という登園の目安
・仕事を休めないときに頼れる、西宮市にある「病児保育」という選択肢
・ご家庭と園でできる予防
を、できるだけわかりやすくまとめました。
「これって手足口病かも?」と不安なときに、そっと寄り添えるふかふか通信になればうれしいです。
※このコラムは一般的な情報の整理であり、診断ではありません。気になる症状があるときは、かかりつけの小児科にご相談くださいね。
【2026年最新】手足口病の流行状況
手足口病は、毎年夏を中心に流行する季節性の感染症です。
例年は7月下旬〜8月ごろにピークを迎えますが、2026年は立ち上がりが早く、春から初夏にかけて九州地方(宮崎・佐賀・鹿児島・福岡など)を中心に各地で「流行発生警報」レベルを超える地域が出ています。
報告される患者さんの多くは0〜2歳の乳幼児。
これから夏に向けて、全国的にさらに増えていくことが見込まれます。
保育園のように子どもたちが集団で過ごす場所では、ひとりの発症からクラス全体へ広がりやすいため、いまの時期はとくに注意が必要です。
園長メモ
近年は、新型コロナの流行期に感染の機会が少なかった「免疫の空白世代」の存在もあり、手足口病をはじめとする子どもの感染症が大きく広がりやすいと言われています。「去年は大丈夫だったから」と油断せず、今シーズンも気をつけていきたいですね。
そもそも手足口病とは?|原因と感染経路
手足口病は、エンテロウイルス(コクサッキーウイルスA16型・A6型・A10型、エンテロウイルス71型など)によって起こる感染症です。
その名のとおり、手・足・口を中心に水ぶくれのような発疹が出るのが特徴です。
おもな感染経路は
・飛沫感染:咳やくしゃみのしぶきを吸い込む
・接触感染:水ぶくれの中身や、ウイルスのついた手・おもちゃなどを介して
・経口(糞口)感染:便の中のウイルスが手などを介して口に入る
が挙げられます。
やっかいなのは、症状が治まったあとも、2〜4週間ほど便の中にウイルスが排出され続けることです。
だからこそ、オムツ替えやトイレのあとの手洗いが、流行を抑えるいちばんの鍵になります。
潜伏期間は3〜7日ほどで、気づかないうちにうつし合っていることも多い感染症です。
手足口病の症状|1歳の息子の場合(体験談)
ここからは、わが家の体験を交えてお話しします。
息子の場合、最初はちょっとした発熱と機嫌の悪さから始まりました。
「夏風邪かな?」と思っているうちに、口のまわりや唇に赤いブツブツが出てきて、それがあっという間にただれて、にじむような状態に。
さらに、手・足だけでなく、お腹・背中・おしり・太ももにまで発疹が広がっていきました。
口の中が痛むようで、大好きだったミルクを泣きながら飲んでいる姿が痛々しかったのを今でも覚えています。
夜もかゆみや痛みで寝つきが悪く、親子で寝不足になりました。
正直、想像していた「手足口病=軽い夏の病気」のイメージとは、かなり違いました。


最近増えている「コクサッキーA6型」は症状が重めに出ることも
あとから知ったのですが、近年の流行で目立っているのがコクサッキーウイルスA6型というタイプです。
このタイプは、
・高めの発熱が出ることがある
・発疹が手足や口だけでなく、体・顔・おしり・ひじ・ひざなど広い範囲に出る
・治る過程で発疹がかさぶた状になる
といった特徴があり、いわゆる「典型的な手足口病」よりも見た目が派手で、重く見えることがあります。
わが家の息子も、まさにこのタイプだったのだと思います。
発疹が広範囲に出ていると、見ているこちらは心配で胸がつぶれそうになります。
でも、手足口病の多くは1〜2週間ほどで自然によくなる病気です。
あわてず、お子さんの全身の様子(とくに「水分がとれているか」「元気があるか」)を見守ってあげてください。


「手足口病かな?」と思ったら|おうちでできるケア
手足口病には、ウイルスを直接やっつける特効薬はありません。
基本は、つらい症状をやわらげながら回復を待つホームケアになります。
① 何よりも「水分・脱水予防」を優先
手足口病でいちばん気をつけたいのが脱水です。
口の中の発疹が痛むと、飲んだり食べたりを嫌がりやすくなります。
・麦茶・経口補水液・水など、こまめに少しずつ
・一度にたくさんではなく、スプーンやストローで少量ずつでもOK
② しみない・やわらかい食事に
・熱いもの・すっぱいもの・塩気の強いもの・かたいものはしみて痛がりやすいので避ける
・冷ましたおかゆ、豆腐、ゼリー、プリン、冷たいスープ、ヨーグルトなど、のどごしのよいものがおすすめ
③ 発熱・かゆみへの対応
・発熱でつらそうなときは、お子さんの様子に合わせて休息を最優先に
・発疹はかきこわすと悪化したり、とびひの原因になったりすることもあるため、爪は短く整えてあげましょう
園長メモ
手足口病は子どもの病気と思われがちですが、看病するパパ・ママにうつることもあります。
大人がかかると発熱や発疹が強く出ることもあるので、看病のあとの手洗いもどうぞお忘れなく。
こんなときは受診を|重症化のサイン
多くは自然によくなりますが、ごくまれに髄膜炎や脳炎などの合併症を起こすことがあります(とくにエンテロウイルス71型)。
次のようなサインがあるときは、ためらわず医療機関を受診してください。
・高い熱が2日以上続く、または一度下がった熱が再び上がる
・水分がほとんどとれず、おしっこが半日以上出ない(脱水のサイン)
・何度も吐く
・ぐったりして元気がない、視線が合いにくい、呼びかけへの反応が鈍い
・頭を痛がる、けいれんがある
・発疹が広範囲に強く出て、見た目に不安が大きいとき
「いつもと、なんだか違う」、、、その親御さんの直感は、とても大切なサインです。
迷ったら、まずはかかりつけの小児科へ行きましょう。
保育園はいつから登園できる?|登園の目安
園長としていちばんよくいただくご質問が、これです。
手足口病は、インフルエンザのように「○日休まなければならない」と法律で決められた病気(出席停止)ではありません。
こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」でも、登園の目安は次のように整理されています。
「発熱がなく、口の中の痛みがやわらいで、いつもどおり食事や水分がとれていれば、発疹が残っていても登園できる」
つまり、ポイントは「発疹が消えたかどうか」ではなく、全身の状態が回復しているかです。
原則として登園許可証・意見書の提出も不要とされています。
ただし、
・熱がある/口が痛くて食べられない・飲めないあいだは、おうちでゆっくり
・園によっては独自のルールがある場合もあるので、まずは園にご相談を
PEEK A BOO保育園でも、お子さんの体調といまの流行状況を見ながら、ご家庭と一緒にいちばん良い判断をしていきたいと思っています。
気になることは、いつでも遠慮なくお声かけください。
仕事を休めないときに|病児保育という選択肢(西宮北口園・甲子園口園)
手足口病でいちばん困るのが、「熱や口の痛みで通常保育はお休み。でも、どうしても仕事を休めない……」というとき。
そして、「もうだいぶ元気そうなのに、まだ通常保育には行けない」回復期の数日です。
わが家も、まさにここで頭を抱えました。
そんなときに頼っていただけるのが、病児保育です。
PEEK A BOO保育園では、西宮北口園・甲子園口園で病児保育を行っています。
病児保育では、通常保育とは別の空間(別室)で、体調のすぐれないお子さんをゆったりお預かりします。
そのため、手足口病のような感染症でも、症状が落ち着いていればお預かりできるケースがあります。
「通常保育はまだお休みだけれど、病児保育なら預かってもらえた」というのは、働く親御さんにとって本当に大きな支えになります。
病児保育のお預かりの目安
一般的に、次のような場合にご利用いただけます(手足口病も対象になり得ます)。
・医師の診察を受けていること(受診時に「医師連絡票」へ記入してもらう必要があります)
・入院を必要としない病気・けがであること
・保護者の就労などの理由で、家庭での保育がむずかしいこと
・風邪・胃腸炎などの日常的な病気のほか、インフルエンザ・水ぼうそう・手足口病などの感染症も対象
一方で、容態が急に変わる可能性が高いときや、高熱が続く・水分がとれないなど症状が強いときは、お子さんの安全を最優先に、お預かりを見合わせる場合があります。
まずはお気軽にご相談ください。
ご家庭と園でできる予防
手足口病にはワクチンがありません。
だからこそ、日々の予防がとても大切です。
・手洗いを、こまめに丁寧に(とくにトイレ・オムツ替えのあと、食事の前)
・タオル・食器・コップなどの共用を避ける
・おもちゃや手が触れる場所のこまめな消毒
・体調がすぐれないときは無理をせず休む
園でも、おもちゃの消毒や手洗いの声かけを徹底し、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりに努めています。
ご家庭と園とで、両側から子どもたちを守っていけたらと思います。
治ったあとの「爪が剥がれる」現象について
最後に、知っておくと安心なお話を。
手足口病、とくにコクサッキーA6型にかかったあと、1〜2か月ほどしてから手足の爪が剥がれたり、変形したりすることがあります(爪甲脱落症)。
「手足口病はとっくに治ったのに、急に爪が……!」と驚かれる親御さんも多いのですが、これは一時的なもの。
新しいきれいな爪が自然に生えてきますので、基本的には心配いりません。
気になるときは皮膚科でご相談を。
よくある質問(FAQ)
Q. 手足口病は何度もかかりますか?
A. かかります。原因となるウイルスが複数あるため、別のタイプに感染すれば再びかかることがあります。
Q. お風呂に入っても大丈夫?
A. 発熱がなく元気であれば、シャワーや短めの入浴は問題ないことが多いです。
発疹はやさしく洗い、ゴシゴシこすらないようにしましょう。
Q. きょうだいにうつさないためには?
A. タオルや食器を分け、手洗いを徹底することが基本です。
とはいえ家庭内では完全に防ぐのが難しい感染症でもあるので、うつってしまっても自分を責めないでくださいね。
Q. 大人もかかりますか?
A. かかります。大人は症状が強く出ることもあるため、看病するご家族も手洗いをお忘れなく。
さいごに|園長より
息子が手足口病にかかったとき、私は「園長」である前に、ただただ心配な「母」でした。
広がっていく発疹、食べられず泣く姿に、「早く代わってあげたい」と何度も思いました。
でも、子どもの回復する力はすごいもので、息子もちゃんと元気になりました。
あのとき、信頼できる情報と、そばで支えてくれる人の存在に、どれほど救われたか分かりません。
このふかふか通信が、いま不安のなかにいる親御さんにとって、その「そばで支えてくれる存在」のひとつになれたら。。。
そんな願いを込めて書きました。
PEEK A BOO保育園では、西宮市にある西宮北口園・甲子園口園で病児保育を行っています。
「仕事を休めない」「もう少しだけ、そばで見てくれる場所がほしい」
そんなときは、ひとりで抱えこまずに頼ってくださいね。
私たちは、子どもたちはもちろん、ご家族の方の心までふかふかにできる園でありたいと思っています。
どうか、この夏を親子で元気に乗り切れますように。
