「待機児童ゼロ」なのに保育園に入れない?隠れ待機児童と保活で知っておきたいこと

こんにちは!

毎年、認可保育園の選考結果が届きはじめる頃になると、園へのお問い合わせが増えてきます。
「認可保育園に落ちてしまって……」
「4月から仕事に戻る予定なのに、預け先が決まっていません」
「今からでも入れる保育園はありますか?」
お電話の向こうから聞こえてくるのは、焦りや戸惑いを抱えた保護者の方の声です。

復職する日は、もう決まっている。仕事も待っている。
でも、大切なわが子を預ける場所だけが決まっていない。
残された時間の中で、「これからどうすればいいんだろう」と一生懸命に預け先を探しておられる方が、毎年たくさんいらっしゃいます。

一方、ニュースでは、
「待機児童は過去最低水準」
「待機児童ゼロの自治体が増えています」
そんな言葉を目にすることも多くなりました。

「待機児童がゼロなら、どうしてうちの子は入れないの?」そう感じるのも当然だと思います。

実は、この “ 数字と実際の保活とのズレ ” を知るうえで、大切な言葉があります。
それが、「隠れ待機児童」です。

今回は、保育園を運営する立場から、
・待機児童と隠れ待機児童の違い
・なぜ「待機児童ゼロ」でも保育園に入れないことがあるのか
・特に1歳・2歳の保活が難しい理由
・認可保育園以外にもある保育の選択肢
・働き始める前から利用できる「一時保育」
・これから保活を始める方に知っておいてほしいこと
について、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います。

今まさに保活中の方にも、これから保育園を探し始める方にも、少しでも気持ちが軽くなる「ふかふか通信」になればうれしいです。

待機児童は2,435人。でも、それだけではありません

こども家庭庁が公表した2026年4月1日時点の全国の待機児童数は、2,435人
前年より181人増え、9年ぶりに増加しましたが、ピークだった2017年の26,081人と比べると10分の1以下まで減っています。
また、全国1,741市区町村のうち1,552市区町村、つまり89.1%の自治体が「待機児童ゼロ」となっています。

ここだけを見ると、
「保育園不足は、ほとんど解消されたんだな」と思うかもしれません。
ところが、実際には保育園へ申し込んでも利用できず、それでも国の定義上「待機児童」には数えられていない子どもたちがいます。
いわゆる「隠れ待機児童」です。

2026年の集計では、こうした待機児童の集計から除かれる4つの類型を合わせると、61,448人にのぼります。
公式に発表される待機児童2,435人のおよそ25倍です。
「申し込んだのに、入れなかった。」
その事実は同じなのに、統計上は「待機児童」として数えられないご家庭が、たくさんあるということです。

「保育園に入れなかった=待機児童」ではない?

少し分かりにくいのですが、保育園に申し込んで入れなかったすべてのお子さんが、そのまま「待機児童」として数えられるわけではありません。
たとえば、
・育児休業中で、入園できた場合に復職する意思が確認できない
・通える保育園がほかにあるものの、特定の園のみを希望している
・自治体が独自に支援する保育サービスなどを利用している
・求職活動を休止している
といったケースは、国が公表する待機児童数から除かれる場合があります。

制度上、一定の基準を設けて集計することは必要だと思います。
でも、保護者の方から実際のお話を伺っていると、
「好きでそうしたわけではないんです」というケースが本当に多いのです。

「その園しか希望しなかった」には、ちゃんと理由があります

特に誤解されやすいのが、「特定の保育園だけを希望している」というケースです。

「ほかの保育園なら空いていたのに、そこを希望しなかったのだから仕方ない」
数字だけを見ると、そう思われるかもしれません。
でも、子育てをしながら毎日送迎する生活を考えると、そんなに単純ではありません。

たとえば、
「通勤途中にある園でなければ、会社の始業時間に間に合わない」
「上の子と下の子の園が別々になると、朝の送迎がどうしても回らない」
「空いている園を紹介されたけれど、自転車で20分。雨の日も暑い日も、小さな子どもを連れて毎日通える自信がない」
そんなご事情があります。

保育園への送り迎えは、1日だけではありません。
雨の日も。暑い日も。仕事で疲れている日も。子どもの機嫌が悪い日も。
毎朝、毎夕、何年間も続きます。
片道10分、15分の違いが、数字の上では小さくても、ご家庭の生活にとってはとても大きな違いになることがあります。

だから私たちは、「その園しか選ばなかった」ではなく、
「そのご家庭にとって、現実的に通い続けられる園がそこだった」
という見方も大切なのではないかと思っています。

特に厳しいのは「1歳・2歳」の保活です

「1歳の4月入園は難しい」
保活を始めると、一度は耳にする言葉かもしれません。
実際、2026年4月1日時点の待機児童2,435人のうち、1歳・2歳児は2,117人。全体の86.9%を占めています。
なぜ、1歳・2歳に集中するのでしょうか。

理由のひとつに、育児休業から復職されるご家庭が1歳前後で一気に増えることがあります。
一方、保育園によっては0歳児クラスからそのまま進級する子どもたちで枠の多くが埋まり、1歳児クラスで新しく受け入れられる人数が限られることがあります。
「0歳のうちは家で一緒に過ごして、1歳から保育園へ」
そう考えることは、とても自然なことです。
でも、多くのご家庭が同じ時期に入園を希望するため、結果として1歳児の枠に申し込みが集中しやすくなります。

園長メモ

保活のお話を伺っていると、「0歳から預けておけばよかったのでしょうか……」と申し訳なさそうにおっしゃる保護者の方がいます。
でも、子どもと過ごす時間を大切にしたかったことも、育休を取ったことも、決して間違った選択ではありません。
保育園に入りやすい時期だけで、家族の大切な時間を決めなくてもいい。
だからこそ、認可保育園だけではなく、いくつかの選択肢を早めに知っておくことが大切だと感じています。

保活でよく伺う、3つの「困った」

ここからは、実際に保育園を運営する中でよく耳にするご相談を、個人が分からない形で少しご紹介します。

「育休を延ばしたかったわけではないんです」

復職するつもりで保育園へ申し込んだ。
でも、入れなかった。
仕事に戻れないため、結果として育休を延長することになった。
こうしたケースがあります。

保護者の方にとっては、「育休を延長した」というより、
「預け先が見つからなかったため、延長せざるを得なかった」という方が近いかもしれません。

そこには、仕事への影響もあります。収入への影響もあります。これからの働き方への不安もあります。
数字だけからは見えない、一つひとつのご家庭の事情があります。

「働きたい。でも保育園が決まらない」

もう一つ多いのが、求職中の方からのご相談です。

仕事を探したい。面接にも行きたい。
でも、「子どもはどうしたらいいんだろう?」という問題が出てきます。
そして保育園を申し込もうとすると、就労している方よりも求職中の方の利用調整上の優先度が低くなる自治体もあります。

保育園が決まらないから働けない。
働いていないから保育園に入りにくい。

ぐるぐると同じ場所を回っているように感じてしまう方もいらっしゃいます。

「どこでもいい、とは書けませんでした」

希望園をたくさん書けば、入園できる可能性は上がるかもしれない。
でも、実際に通いきれない園に決まったらどうしよう。
一方、通える園だけを書くと、「特定園希望」として扱われる可能性がある。
保活では、ときにそんな難しい選択を迫られます。

だから、
「もっと希望園を書いておけばよかった」
「自分の保活の仕方が悪かったのかもしれない」
と、ご自身を責めないでいただきたいと思っています。

保育園は「入れる場所」であることも大切ですが、何年間も親子で通い続ける生活の場所でもあります。
距離、時間、保育内容、先生との相性。どれも大切にしていい条件です。

「認可保育園か、それ以外か」だけで考えなくても大丈夫です

保活というと、最初に思い浮かぶのは「認可保育園」だと思います。
もちろん、認可保育園は大切な選択肢のひとつです。
でも、保育の形はそれだけではありません。

PEEK A BOO保育園は、企業主導型保育園です。
企業主導型保育事業は、企業などが設置する保育施設を国が支援する仕組みで、認可保育園とは入園までの流れが異なります。
認可保育園が自治体による利用調整を経て入園が決まるのに対して、企業主導型保育園は基本的に園と保護者の方との直接契約になります。
そのため、自治体の認可保育園の選考結果とは別に、園へ直接空き状況をお問い合わせいただくことができます。
また、企業にお勤めの方などが利用する「従業員枠」だけではなく、地域にお住まいの方が利用できる「地域枠」もあります。
年度途中でも、転居や転園などによって空きが出ることがあります。

「4月を過ぎたから、もう保育園は決まらない」とは限りません。
5月から。9月から。仕事が決まったタイミングから。
そんなご相談をお受けできる場合もあります。

ただし、もちろん企業主導型なら必ず入れる、というわけではありません。
年齢ごとに定員がありますので、ご希望のクラスに空きがないこともあります。
また、保育料や利用条件、開園時間、給食、行事、保育方針などは、それぞれの園によって違います。
同じ「企業主導型保育園」という名前でも、中身は同じではありません。
だからこそ、私たちは園見学に来て直接見ていただきたいと思っています。

保育園選びで見てほしいのは「設備」だけではありません

ホームページを見れば、
保育室の広さ・設備・給食・開園時間。たくさんのことを調べられるようになりました。
でも、ホームページだけでは、どうしても伝わらないものがあります。
それは、園の空気です。

保育士が子どもに、どんな声をかけているのか。
泣いている子がいたとき、どんなふうに寄り添っているのか。
子どもたちは、どんな表情で遊んでいるのか。
保育室には、どんな声や音が流れているのか。
ぜひ、実際に見て、感じてみてください。

「ここなら、この子が毎日安心して過ごせそう。」
そう思える場所を、ご家族で選んでいただけたらと思っています。

PEEK A BOO保育園で絵本を読んでもらって楽しそうな0歳児と2歳児

実は、働き始める前でも子どもを預けられます

そしてもう一つ、ぜひ知っていただきたいことがあります。
保育園は、「すでに働いている人だけが利用する場所」とは限りません!

PEEK A BOO保育園では、空き状況に応じて一時保育を行っています。
一時保育の場合、利用理由はお仕事だけではありません。
たとえば、
・就職活動や面接へ行きたい
・育休中だけれど数時間預けたい
・通院したい
・上のお子さんの学校や園の行事に参加したい
・用事を済ませたい
・少し自分の時間をつくりたい
そんなときにもご相談いただけます。

「まだ働いていないのですが、利用できますか?」とお問い合わせくださる方も多いのですが、一時保育では必ずしも就労だけが利用理由ではありません。
そして私たちは、これから働こうとしている方にとっても、一時保育には大きな意味があると感じています。

一時保育があると「仕事探し」が少し現実的になります

小さなお子さんと一緒に仕事を探すことは、想像以上に大変です。
求人を調べるだけなら、自宅でもできるかもしれません。
でも、面接はどうでしょう。
企業へ出向いたり、オンライン面接でも静かな環境を用意したりする必要があります。

そんなとき、「数時間だけお願いできる場所がある」というだけで、選択肢は大きく広がります。
預け先がないから働けない。
働いていないから預け先が決まりにくい。
その循環を、一度途切れさせるきっかけになるかもしれません。

入園前の「はじめての保育園」に使うこともできます

これまでずっとおうちで過ごしてきたお子さんにとって、保育園は初めて出会う世界です。
知らないお部屋。たくさんのお友だち。家族ではない大人。
そして、初めてパパやママと離れて過ごす時間。
4月1日から、いきなり朝から夕方まで。
それがお子さんにとって大きな変化になることもあります。

そんな場合、入園前に一時保育を利用して、「保育園って、こんなところなんだ」と少しずつ経験しておく方法もあります。
もちろん最初は泣くかもしれません。
でも、
「遊んでいたら、お迎えに来てくれた」
「先生と一緒にいるのも大丈夫だった」
そんな小さな経験が積み重なることで、新生活への準備になることがあります。

「少し休みたい」でも大丈夫です

一時保育についてお伝えするとき、私たちが大切にしていることがあります。
それは、預ける理由を、立派なものにしなくてもいいということです。

仕事でなくてもかまいません。
病院へ行きたい。
美容院へ行きたい。
買い物を済ませたい。
少し一人で過ごしたい。
そんな日があってもいいと思っています。

子育ては、365日続きます。
特に0歳、1歳、2歳の時期は、食事も着替えもおむつも寝かしつけも、大人の手が必要なことばかりです。
大切なわが子だからこそ、毎日一生懸命向き合っている。
だからこそ、ほんの少し離れて、自分自身に戻る時間が必要な日もあります。

園長メモ

一時保育のお迎えに来られた保護者の方から、「久しぶりにゆっくりご飯を食べました」「ずっと行けていなかった美容院に行けました」と聞くことがあります。
ほんの数時間でも、お迎えに来られたときの表情がふっとやわらかくなっていることがあります。
そしてその笑顔を見た子どももうれしそうにする。
子育てのために休むことも、私は立派な子育てのひとつだと思っています。

一時保育を「園選び」に使ってもいいんです

園見学だけでは分からないこともあります。
30分見学したときは良さそうだった。
でも、「実際にうちの子が過ごしたら、どうなんだろう?」そんな不安もあると思います。
一時保育を行っている園であれば、実際に数時間過ごしてみることで、
帰宅したときのお子さんの表情。
先生との関係。
食事やお昼寝の様子。
などを知ることもできます。

パンフレットやホームページを見ることももちろん大切ですが、実際に子どもが過ごした姿を見ることは、何よりの判断材料になることがあります。
一時保育は空いている保育枠を利用して行っているため、ご希望の日に必ず利用できるとは限りません。
また、初回利用前にはお子さんの健康状態やアレルギーなどについて確認させていただきます。
対象年齢や料金、利用可能時間、空き状況については、各園までお気軽にお問い合わせください。
「○日は空いていますか?」そんなお問い合わせだけでも、もちろん大丈夫です。

保活は「結果が出てから」ではなく、少し早めの準備を

これから来年度の保活を始める方へ。

私たちからひとつお伝えしたいのは、
「もし認可保育園に入れなかったら」を、結果が出る前から少しだけ考えておくことです。
認可保育園の結果が出てから初めて、認可外保育施設や企業主導型保育園を探し始めると、同じ時期に多くの方が一斉に動き始めます。
もちろん結果が出てからでも、ご相談ください。
でも、少し余裕のある秋頃から、
「家の近くにはどんな園があるかな?」
企業主導型保育園ってどんなところ?」
一時保育は利用できる?」
「もし4月に決まらなかったら、復職時期は調整できる?」
そんなことを調べておくだけでも、2月、3月を迎えたときの安心感は大きく違います。

認可外保育施設や企業主導型保育園は、自治体ではなく直接園へお問い合わせいただくケースが多いため、役所でもらう資料だけでは見つからない選択肢があるかもしれません。
気になる園があれば、「今、空きはありますか?」と聞いてみてください。
それだけでも、十分な保活の第一歩です。

「待機児童ゼロ」の向こう側にいる、ご家庭のこと

全国の待機児童は、大きく減りました。
それは、多くの自治体や保育施設が長い時間をかけて保育の受け皿を増やしてきた、大切な成果だと思います。
一方で、「待機児童ゼロ」という数字だけでは見えないご家庭がいることも、私たちは日々感じています。
保育園に申し込んだけれど入れなかった。
育休を延長した。
働きたいけれど、預け先がなくて動けない。
通える園に空きがない。
数字には表れなくても、そこで困っているご家庭がいることに変わりはありません。

そして、保活は時々、
「もっと早く動けばよかったのかな」
「私の選び方が悪かったのかな」
と、保護者の方自身を責める気持ちにつながってしまうことがあります。
でも、保育園探しは、本来「合格・不合格」を競うものではありません。
大切なお子さんが安心して過ごせて、ご家族が無理なく生活を続けられる場所を探すこと」それがいちばん大切なのだと思っています。

認可保育園だけでなく、企業主導型保育園もあります。
一時保育という選択肢もあります。
地域には、さまざまな子育て支援があります。
「何から始めたらいいか分からない」
そんな段階でも大丈夫です。
PEEK A BOO保育園では、園見学や入園に関するご相談を受け付けています。
入園すると決めたわけではないけれど、見学だけしてみたい」
「認可保育園の結果が出る前に、ほかの選択肢も知っておきたい」
一時保育について聞いてみたい」
そんなお問い合わせも大歓迎です◎

保活の途中で困ったとき、
「そういえば、相談できる保育園があったな」と、PEEK A BOO保育園を思い出していただけたらうれしいです。
ひとつの制度、ひとつの園だけで、すべてを決めなくても大丈夫。
ご家族にとって無理のない保育の形を、一緒に探していきましょう。

◎園見学やお問合せはこちらから◎

この記事を書いた人

園長

PEEK A BOO保育園の園長です😊
私は、1児の母でもあります。家では親として悩んだり笑ったり、園長とはまた違う顔で毎日子育て中です!

そしてもうひとつ。私は 美容院も経営しています✂️
“人を大切に育てること”や“その人らしさを引き出すこと” だけでなく、”大切な人や地域の人、全員をふかふかにすること” は美容も保育も同じだなと感じています。
だからこそ、園では子どもたちの「今の気持ち」と「その子らしさ」をいちばん大切にしながら、安心できる毎日を積み重ねていきたいと思っています。

この「ふかふか通信」 では、
保育方針や園に込めている想い、日々大切にしていることを中心に発信していきます✍️
そして、保護者の皆さまへ。
子育ては、うまくいく日もあれば、思い通りにいかない日もありますよね。そんな時に「ここがあるから大丈夫」と思える場所でありたい。園は、子どもだけでなく、保護者の方の心もふかふかになれたら嬉しいです🌿

これからも、園のことをまっすぐに、でもあたたかくお届けします。
どうぞよろしくお願いします☺️!